論文執筆 研究の方法論1

論文を書くときに、方法論的なヒントになりそうなものを紹介します。

 

CiNii 図書 - 戦争の日本近現代史 : 東大式レッスン! : 征韓論から太平洋戦争まで

( 新書マップも参考)

pp9-10「では、研究書を水割りしたような概説書や、逆に教科書を水増ししたような概説書が、なぜ問題なのでしょうか。たしかにそれらの書物は、歴史の「出来事=事件」については詳細に説明しています。しかし、そのような書物は、歴史には「出来事=事件」のほかに、「問題=問い」があるはずだと言うことに気づかせてくれないからです。」

P15「ある特定の時期にある特定の学問の領域で、急激な認識の変化が起こるのはなぜなのかと問いかけてみることは、ある研究領域の過去の研究史をまじめに考えたい人間にとって、また、たとえば、ある領域で生産されてきた過去の製品開発の過程をまじめに考えたい人間にとっては、不可欠の作業となるでしょう。」

 

ゲノムが語る生命 ―新しい知の創出 – 集英社新書

p101「ここから見えてくるのは、「矛盾を抱え込み、それゆえに生まれるダイナミズム」です。こうまとめると堅くなりますが、日常を考えてみれば、生きるということはこういった感覚そのものではないでしょうか。規則をもちながら、これだけの多様性やダイナミズムを生み出すことの面白さの実感こそ日常との重なりを意識した研究の意味だと思います。」

p137「ゲノム解析以来、網羅的に見ていくことが1つの研究方法になったけれど、本当にそれが生命の本質に迫る最もよい方法であり、それが最も近い道なのだろうかという問いが出てきます。けれども今は、そんな問いは無視されます。」

 

以上です。