読書 研究課題の見つけ方

有名な研究者がなぜそのテーマを選んだかを見ると、いろいろ考えさせられます。

 

芭蕉・蕪村」(『芭蕉・蕪村』p110-111岩波現代文庫

芭蕉・蕪村 / 尾形 仂【著】 - 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア

「しかし、芭蕉を自分の研究課題として取り上げ、これと取り組もうと思うようになったのは、戦争中の大学時代のことでした。というのは、大学にはいった年の暮れに太平洋戦争が始まって、修学年限も二年半に短縮され、大学を押し出されたらすぐに兵役が待っている。その先には戦死の運命が待っている、と言う状況の中で、生命のはかなさというものをいやでも痛切に自覚せざるを得ない立場に立たされました時に、たまたま大学の俳論の演習で、“不易流行”という芭蕉のことばを知り、そのことば、あるいはその思想の中に、限りある生を通じて何とか永遠につながりたいと願う自分自身の課題に、何か応えてくれるものがあるように思われたからなのです。」

 

以上です。